泥棒・詐欺師犯罪例から考える防犯対策

実際にあった泥棒や詐欺のリアルな手口を犯罪者側の目線で物語風にご紹介。犯罪から身を守る手法を身につける参考にお役立てください。

結婚詐欺で逮捕された瞬間のドキュメント

深入りすれば、 いずれ女からしっぺ返しを食らう だろう。

それは何となく想像がつ いていた。

悪い予感が的中したのは、昨年 6月のある朝のことだ。

自宅の呼び鈴が鳴ったので、寝ぽけ眼で外に出てみると、背広姿の男が4、 5人立っていた。一発で刑事だと わかった。

「高橋だな、ちょっと署まで来てもらおうか」

見せられた逮捕状には詐欺の文字が見える。

突然の逮捕劇も、俺に特別な驚きはなかった

もちろん予期して いたわけじゃない。なぜか前夜に ワッパをかけられる夢にうなされ たのだ。正夢とはまさにこのことだ。

そのまま地元の警察署に連行された後、型通り48時間の取り調べ を受け、これまた型通りに拘機所 へ送致。

訴えを起こしたのは、700万のベンツと1千万を貢がせた静香だった。

考えてみれば、静香とはもつ1 年以上も電話連絡すら取っていない。

キレイに縁を切ったつもりでいたが、向こうはそうは思っていなかったようだ。

とはいえ俺は、「結婚しよう」 なんて口にしちゃいない。

金品もくれるというものを有り難く頂戴しただけ。

恐らく詐欺罪は立件できないに違いない。

しかし、担当の検察官に話を聞いてみると、俺には決定的な証拠があるという。

静香に書かされた 1千万円の借用書である。

こんなこともあろうかとあらかじめムチャクチャな金利を記入しておいたのだが、問題となるのは、 俺が一銭も静香に金を返していない点。返済の意志なく金を借りた=詐欺との図式が成り立つらしいのだ。つまり、俺の工作は何の意味もなかったというわけである。 取り調べが進むに従い、きっちり余罪も追及された。事件にこそなっていなかったものの、他にも 2人の女が警察に訴え出ていたの だ。

逃れが利くような状 況じゃない。 が、この期に及んでも、俺には まだ不起訴になるという自信があった。むろん、苦し紛れの思い込 みではなく、キチンとした理由が あってのことだ。 実際、拘留期限ギリギリとなっ た拘置20日目、看守こんな一 言が。

「釈放だ、出ろ」

まさに絶体絶命の状況下からなぜ脱出できたのか。カラクリを説明しよう。 実は逮捕後すぐに、俺の両親が静香に示談を申し入れていた。示談金は2千万。抜いた額より30 0万を上乗せした金額である。

ところが静香は、アッサリこれを拒否。いわく「目的はお金じゃない」らしい。 そこで俺は、あるモノの存在を弁護士にうち明ける。静香とのハメ撮りビデオだ。万がーの保険にと、部屋にピンホールカメラを仕掛け、女全員のビデオを撮っておいたのだ。 2度目の司法取引の席で、このビデオの存在が静香に知らされた。 要するに、「裁判になればこのビデオを証拠として提出しますよ」 とオドしてもらったのだ。

「示談なんかには絶対に応じない」と息巻いていた静香も、ここまでされれば引きドがらざるを得 ない。結果、取りドげられ たというわけだ。

★これを期に、俺は結婚詐欺から すっぱりと足を洗った

さすがに 女はコワイ。ホストでも何でもな いのに付け焼き刃でダマしたりな どするもんじゃない。 と、一度は反省した俺だったが、 もともとこの程度で懲りるような タマじゃなかったのか、最近は、 また別の手段で女の金を抜き始めた

その万法を誌面で公開するわけにはいかないが、現在、6人の女から1日1万ずつ、1カ月180万以上の収入を得ている。この方法の良いところは、彼女らが納得ずくで貢いでいる点だ。恐らく結婚詐欺と違ってパクられる心配は全くないのではないだろか。