泥棒・詐欺師犯罪例から考える防犯対策

実際にあった泥棒や詐欺のリアルな手口を犯罪者側の目線で物語風にご紹介。犯罪から身を守る手法を身につける参考にお役立てください。

結婚をエサに女の金をダマしとるイケメン結婚詐欺師

結婚をエサに女の金をダマしとる。

くどくど説明する必要はある まい。結婚詐欺である。

数十人の女性に約4干万を貢がせた俺からすれば、結婚詐欺ほど簡単なシノギもない。ちょっとしたウソをつくだけで面白いように金が取れるのだ

きっかけは今から3年前、友人の誘いでねるとんパーティに参加 したことだった。

このときすでに妻もいた俺だが、女好きの性格が結婚などで直るはずもなく、当然のように 浮気しまくりの毎日。

つまり、こ のパーティも、夜のお相手をゲ ツトするためだった。

会場となったホテルの広間には、 約10名の男性に対し、20名ほどの 女性が集まっていた?

女の方が多 いねるとんパーティというのも珍しい

「お仕事は何をなさってるんですか? 」

フリータイムでケイコと名乗る 30代の小太りの女性が話しかけて きた。容姿は並以下だが、どうせ 一晩限りの付きいい。少々不細だって構わない。

「従業員は5人しかいませんけど、 一応、会社を持ってるんですよ」

「え、社長さんなんですか・・」

肩書き(実際に俺は有限会社を経営していた)がかえ ってケイコを警戒させてしまった ようだ。

男はいかにもモ テそうな30才の若社長。

ねるとん バーティなんぞで恋人を探しているのが不自然に映ったのかもしれない。 「いやあコイッ、最近、長く付き 合ってた彼女と別れちゃってね。 それでずソとふさぎ込んでたから、 僕が、無理矢理ここに連れてきたんだよ」

すかさず友人がフォローを入れる

本人の弁ならウソ臭く聞こえる話も、第三者が口にすれば信愚性が高まるってもんだ。 と、案の定、ケイコは目をキラ キラと輝かせ始めた。

男性参加者 はサエなそうな連中ばかり
聞けば彼女、某大手社の OLらしい。

職場ではコレといっ た相手が見つからず、かれこれ10 回もあちこちのねるとんパー ティに参加しているという。

「やっぱり30才を越えると親が早く結婚しろってうるさくて」

「いやあ、偶然だなあ。僕もそろそろかなって考えてるとこなんだよね」

妻子持ちの分際で我ながらよ言うわと思うが、結婚願望の強い女をオトすときは同じ境遇だとアピールするのが定番だ。 すっかりっちとけた頃合を見引 らい、ケイコをドライブに誘ってみた

「うーん。ちょっとぐらいならいいわよ」

パーティ終了を待たずに会場を抜け出し、愛車のシーマでお台場のレインボープリッジへ

僑の上まできたところで路上に止め、 彼女を連れて外に出た。

「きゃっ、何するの」

いきなり体を抱き上げて欄干を乗り越えると、ケイコは驚いた表情でパチクリさせた。 実は以前、女房に結婚した理由を尋ねてみたところ、返ってきたのは「抱きあげられたときの力強さに感動したから」

以来、女をオトす際には必ずこのテ

ケイコは俺の胸に体をあずけながら、うっとり

唇を奪いにかかると、さしたる抵抗も無く舌を絡めてくる。 ここまでくれば、もつことばはいらない。帰りは、ホテル代がもったいなかったので、カーセック スでコトを済ませた

あらかじめ予想はしていたことだったが、ケイコの電話攻勢が始まった。

平均10本はかかってきたろうか。

もっとも、彼女に教えたのは携帯のみ。

無視し続ければ、そのうちあきらめてくれるに違いない。

が、止まない。どころかその数は追うごとに増えてくる一方だ

し方ない。「その気はない」 と伝えるか

「ああ、よかた、無事だったの ね。アタン、心配で心配で夜もねむれなかったんだから」

俺の声を耳にした端、ケイコ はむせび泣いた。

不通だったのに理由などこれぼっちも聞きもしない

そのとき、フイに邪悪な考えが浮かんできた。もしかするとこの女、何でもいいなりになるんじゃないか。例えそれが金に関することであっても

「ごめんな。今会いたくてあえないんだよ」

「ど、して」

「いや、会社の資金繰りに困っててさ金策にかけずりまわってるんだ」

この程度でコロとダマされてくれるぐらいじゃなければ大金など引っ張れまい。

仮に、女にウサン臭がられたと しても、以降は度と付きまわなくなるだけ。

どちらに転ぼうとも俺にソンはない

「私、ちょっとぐらいなら出しで あげられるわよ一 あまりにもあっさりケイコは言った。

「いくら必要なの」

「とりあえず手形を落とすのに10 万ばかり足りないんだ」

わかった。じゃあすぐに銀行からお金を降ろすかり

ケイコは待ち合わせのコノビニ前に、さっそく中をあらためると、確かにー万 円札が10枚。 マジかよ。1回寝ただけの男に どうしで金を貸せるんだ?思惑ど おりにことが運んだとはいえ、俺 は信じられない気持ちでいっぱいだった 

ケイコからは、結婚さえチラつ かせれぱ、 いくらでも金品を引っ張ることができた。小さな物なら ジッボから、カーナビ、現金に至るまで。

その総額は300万ほとになるだろうか。 ここまでくると、ケイコ ー人に狙いを絞るのが馬鹿らしくなってくる

絶好の機会が巡ってきたのは、 シオリと知り合って2週間後のことだ。シオリのアパートで鍋をつついた帰り道、幸か不幸か、車がガードレールに突っ込んでしまったのだ。 「昨日、ちょっと酒を飲み過ぎて たみたいでさ。帰り際に事故っち ゃったんだ」

「えー・」

「いや、体の方は何ともなかった んだけど。ただ、車の修理代がか なりかかるらしくて。それを稼ぐ のに夜のバイトをしようと思うん だ。しばらく八ぞえそ、っにないよ」

「そんな・・」

向こうも「飲ませすぎたせいかも」と責任を感じていたのだろ

「私が払うわ」と言い出すまでそう時問はかからなかった。

そうと決まればさっそく知人の 修理屋に連絡である。手数料3万を支払い、本来50万円程度の修理費を250万の見積もりで請求してもらう。差額の200万は丸々 懐に入る手はずだ。 ただ、シオリはケイコと違ってほとんど貯金がなかったので、信販会社でローンを組ませた。
ー年後、俺は8人の女を同時に転がすまでになっていた。 8人も女がいれば会うだけでも 大変だ。2、3人を車で拾っては落とし、落としては拾い、取引先や現場にまで連れ回す。そん な俺に、事情を知らぬ周囲の人間はすっかりあきれ返っていた。

もっとも、ここまで女が多すぎ るとかえって抜ける金額は少なくなる。人数を減らし、1人ー人に増やした方がはるかに効率はいい。

それは俺自身が番 よくわかっていた。 しかし、せっかくゲットした女 をリリースするのも忍びない。呑 気な話ではあるが、「ヤレたついでに金まで取れりゃもうけもの」 が俺の考えなのだ。

そんななか、最も金を引っ張れた女と言えば、これまたねるとんパーティで知り合った33才の静香 である。勤め先の大手商社では守銭奴で通っているらしいこの女、 なんとり1000万も貯め込んでいたのだ。

「2人でドライプに行けるような車が欲しいね」

「じゃあ買ってあげようか」

ここまでくれば後は根こそぎ貯金を頂くだけ。静杏の貯金通帳にゼロが記入される日もそう遠くないに違いない。 ところがこの女どんなに追真の演技で迫ろうとも、なぜか現金だけは出し渋る。

そこで俺は、静香と一緒にいるとき、友人に樵帯へ電話をかけてもらった。
「申し訳ありません。すぐに金は用意しますから、もう少しだけ待ってください。お願いだから腎臓は勘弁してくださいよ」
さもキッイ督促に苦しんでいるかのどとく一人芝居。と彼女、さすがに相当ヤバイ状況だと思ったのか、「少しぐらいなら貸してもいいけど」と心配そうな表情で言
ってきた。

「いや、いくらなんでもそれは悪いよ。第一、君に出せるような金
額じゃないから」「どれぐらいなの」
「驚かないでくれな・実は1千万も借金があるんだ」
「。。」
「ほら、やっぱり無理だろ」
「たぶん、何とかなる」
「え!本当なの。ありがとう。恩に着るよ」
が、敵もさるもの、借用書を書かなければ絶対に金は貸せないという。それが条件である以上、希望どおりにしたためるしかない。
しかし、この静香、借用書がどんなものなのかよくわかっていないらしい。つまりは単に保証が欲しいだけなのだ。これなら何とか
なりそうだ。思案の末、俺は、借用書に法定金利を遥かに超えたムチャクチャな金利を記入することにした。こうしておけば貸し手側も出資法違反だ。そんな紙キレに、法的効力などありはしまい。