泥棒・詐欺師犯罪例から考える防犯対策

実際にあった泥棒や詐欺のリアルな手口を犯罪者側の目線で物語風にご紹介。犯罪から身を守る手法を身につける参考にお役立てください。

110番通報を受理・指令してから警察官が現場に到着するまでのリスポンスタイムは

銀行、郵便局、サラ金などの金融機関に強盗が押し入った場合、

警察は【非常通報装置】によって、その発生を知ることになる。

犯人に悟られないよう、机の底面や足で踏めるよ
う床にセットされたボタンを職員が押すと、

110番通報同様、各都道府県本部の通信司令室にアクセス。

「こちらは××銀行○○支店です。ただいま事件が発生しました」などのメッセージが流れる仕組みだ。

ちなみに、110番通報を受理・指令してから警察官が現場に到着するまでの時間をリスポンスタイムといい、全国平均はおよそ6分30秒(警視庁5分30秒)ほどだ。
事件中や遅くとも発生直後に通報のある強盗事件は、いかに早く駆けつけられるかが解
決の鍵を握る。2〜3時間で犯人を洗い出し、5〜6時間で逮捕しないと解決が長引くことを覚悟しなければならない。
実際、金融機関強盗に限っては事件現場および、直後の現行犯逮捕がほとんどで、その
検挙率も約80%と群を抜いている。
「本部より各局、各移動、各受令機携行員へ。××署管内にて銀行強盗事件発生。場所は..」
通信司令本部からの指令により真っ先に現場に駆けつけるのは、本部所属の初動捜査班
機動捜査隊だ。強盗なら5〜台の覆面パトカーで集合、まず被害者が口がきける状
態なら話を聞き、目撃情報を収集する。
「犯人はどんな人相で、どれぐらいの身長でしたか?」
「着衣は?」
「凶器を持ってましたか?」
「どっちの方向へ何で逃げましたか?」
実は機捜より早く現場に到着している人間がいる。所轄地域課の警察官だ。真っ先に現
場に到着するやケガ人の有無を確認し、署への概況報告を行い、被害者や目撃者から事情を聞きたいところ。
しかしそこはタテ社会の警察。機捜の刑事が本部の所属なら、交番の警官は所轄の捜査
に過ぎない。捜査に首を突っ込むことなく、黄色いロープを張って、野次馬を整理するのが任務だ。