泥棒・詐欺師犯罪例から考える防犯対策

実際にあった泥棒や詐欺のリアルな手口を犯罪者側の目線で物語風にご紹介。犯罪から身を守る手法を身につける参考にお役立てください。

有料駐輪場でも鍵をしていない自転車は盗難されるぞ!

 

通っている大学は、東京郊外の某駅から徒歩20分ほどの距離にある。
ほとんどの生徒は、駅から市営バスをつかって通学しているのだが、友人のY田は、いつも自転車を使っている。頻度で言えば、週に1〜2回程度だが、毎回違う自転車に乗っているので、不思議に思っていた。ていうか、その自転車、ぜったいパクってるよな?
「パクってねえし。借りてるんだよ」
Y田の手口はこうだ。彼は通学のとき、いつも電車を降りるとまっすぐ駅周辺に点在する有料駐輪場の一つに向かう。
それらの駐輪場は、自転車の前輪を輪っかに乗せるとロックされ、10時間100円ほどで利用できる仕組みだ。で、Y田は、停めてある自転車を一台一台チェックしていき、
「鍵をしていない自転車」を見つけ出し、その自転車が駐輪された番号の料金、100円を支払って勝手に取り出しているのだ。
確かに、この手の駐輪スペースに停めるときは、前輪を留めてあるので盗まれないと錯覚し、鍵をしないでおくことが多い気がする。
「学校の帰りに、また元の駐輪場に帰すんだから借りてんだよ」
持ち主にしてみりゃ、朝と別の番号に移動していることになるが、さほど気にならないのかも。
Y田みたいな奴に盗まれる可能性があるので、この手の駐輪場に停めるときは、自転車そのものの鍵もかけた方がいいと思う。