急な雨で誰しもふと躊躇することといえば、
やはりカサを買うか否か問題ではなかろうか。
ずぶ濡れになるのはイヤだけど、かといって
たかが一時期の雨のために使い捨てのカサを
買うのもなぁ。さて、どうしよう…。
「すいません。前に雨降った日にこの店でカサ
を忘れてしまったんですが、保管してないでし
ょうか? 柄が白のビニール傘なんですけど」
どこのコンビニにも捨てたくてしょうがないビニール傘が積まれている
実はどこのコンビニでも頭を抱えているのがカサの忘れ物だ。たとえ使い捨てのカサであれ、客の私物を捨てるわけにはいかず、バックヤードに大量保管しているのである。処分したくてたまらないのに。
この手法はその心理を逆手に取ったもので、一番ありがちなタイプのビニール傘を忘れたといえば、むしろよろこんで手渡してくれるのだ。たとえコイツ、ウソついてるなと薄々わかっていたとしても。